eスポーツでZ世代にアプローチ! 効果的な広告戦略とは
近年、eスポーツは新たな広告価値を生み出すコンテンツとして注目されています。
オンラインでゲームの対戦を楽しむというエンターテインメント性のあるコンテンツの特徴を生かして、若年層やニッチなターゲット層に価値・魅力をアプローチできる強みがあります。
「新しいマーケティングチャネルで広告施策を打ち出したい」「広告に嫌悪感を持ちやすい若年層にもアプローチしたい」という悩みを持つ方は、eスポーツを広告媒体として活用することがおすすめです。
この記事では、eスポーツを広告媒体として活用する狙いや特徴、効果的な活用方法について解説します。マーケティングや人材採用の戦略の参考として、ぜひお役立てください。
目次[非表示]
- 1.eスポーツを広告として活用する狙い
- 2.eスポーツを活用した広告の特徴
- 2.1.特徴1|若年層にリーチできる
- 2.2.特徴2|Z世代への拡散力がある
- 2.3.特徴3|プロ選手・チームやインフルエンサーの影響力を活用できる
- 2.4.特徴4|ファンコミュニティと長期的な関係性を目指せる
- 3.eスポーツを活用した効果的な広告施策
- 3.1.➀スポンサーシップ契約を結ぶ
- 3.2.②eスポーツ大会の主催
- 3.3.③ゲーム空間内に広告を掲載する
- 4.まとめ
eスポーツを広告として活用する狙い
eスポーツは、オンラインゲームに興味関心の高い若年層のほか、特定のゲームや選手に愛着を持つニッチなファン層にアプローチできる広告媒体といえます。
▼eスポーツを広告として活用する狙い
- 自社商品の購買促進
- 新規顧客の獲得
- 採用広報としての認知度向上
eスポーツのプレイヤーや選手のファン層に広告を届けることで、商品の認知拡大やブランドイメージの確立につながり、購買行動を後押しできます。
また、eスポーツはゲーム産業の周辺市場への経済効果や地域の活性化、ダイバーシティの実現などにも効果をもたらすコンテンツとして注目されています。スポンサーシップを通じてイベントや選手を支援することにより、企業価値の向上につながり、新規顧客の獲得へと結びつくと期待できます。
さらに、ファン層やゲームに興味関心の高い若年層に対して企業の魅力・価値をアピールすることで、求人サイトでは接点を持てなかった新たな層にリーチできる可能性もあります。これにより、採用広報としての認知度向上を目指せます。
eスポーツを活用した広告の特徴
一般社団法人日本eスポーツ連合『JeSU』の調査によると、日本のeスポーツ市場規模は、2021年で約100億円となっており、2025年には約210億円を超えるまでに拡大すると見込まれています。
また、2022年時点での項目別市場規模として、広告市場であるスポンサーが4割を超えています。さらに、ファン数も年々増加傾向にあることから、eスポーツの広告市場は今後も成長が期待される領域となっています。
eスポーツを活用した広告市場が注目されている理由には、広告媒体として強みとなる4つの特徴を備えていることが考えられます。
出典:一般社団法人日本eスポーツ連合『2022年の国内eスポーツ市場規模が100億円を突破「日本eスポーツ白書2023」の内容を先行公開』
特徴1|若年層にリーチできる
eスポーツを活用した広告は、若年層にリーチしやすくなります。
総務省の『令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』によると、オンラインゲーム・ソーシャルゲームの利用時間は10~20代で多くなっています。
▼【項目別】インターネットの平均利用時間(平日)
画像引用元:総務省『令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』
また、経済産業省の『令和3年度コンテンツ海外展開促進事業』によると、Z世代の約8割がゲームを経験しており、1週間当たりの平均プレイ時間は約7時間となっています。ほかの娯楽よりも費やす時間が多く、ゲームに対するエンゲージメントもほかの世代と比べて高いことが分かっています。
▼【世代別】自由時間(可処分時間)の構成割合
画像引用元:経済産業省『令和3年度コンテンツ海外展開促進事業』
eスポーツを活用した広告施策は、若年層の認知獲得や商品に対する興味関心の向上につながり、購買行動を後押しできる効果があると考えられます。
出典:総務省『令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』/経済産業省『令和3年度コンテンツ海外展開促進事業』
特徴2|Z世代への拡散力がある
eスポーツを広告媒体として活用すると、Z世代(※)を中心に変容している購買行動に対して、一貫した広告施策を実施できるようになります。
Z世代の購買行動には、ほかの世代とは異なる傾向があります。
▼Z世代の購買行動に関する傾向
- SNSやインフルエンサーなどの他者からのレコメンドを重視する
- 自己実現・発信欲求が高く、積極的にSNSを通じたシェアを行う
- 商品の購入に至るまでに多様なチャネルで情報をキャッチする
eスポーツは、オフラインイベントやオンライン配信などの多様なコミュニケーションを通じて参加者・観戦者に広告を露出させることが可能です。
Z世代に対してオフライン・オンラインの両方で広告を露出すると、効率的に認知を拡大できるほか、接点を増やすことで購買意欲の向上を図れるようになります。
また、広告に興味を持った人がSNSでシェアを行うことで、情報が拡散されて話題性の向上につながる効果も期待できます。
※Z世代とは、一般的に1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代のこと。2024年時点では10代半ばから20代前半の世代を指す。
特徴3|プロ選手・チームやインフルエンサーの影響力を活用できる
eスポーツには、人気のプロ選手・チームが存在します。選手・チームやインフルエンサーのファンは、スポンサーとなる企業の認知度や商品に対する好感度が高い傾向があります。
特にZ世代においては、自分が好きなコンテンツ(選手やゲームなど)に対する信頼が高くなっています。
eスポーツの選手・チームやインフルエンサーとコラボレーションした商品・サービスのリリースや、スポンサーとして広告配信をすることで、企業・商品に対する好感度・信頼の向上を図れます。
特徴4|ファンコミュニティと長期的な関係性を目指せる
Z世代には、ゲームを動画コンテンツやコミュニケーションツールとして楽しむ傾向が見られており、コミュニティ形成の一助となっています。
eスポーツはプロの選手・チームだけでなく、インフルエンサーやゲームの配信・実況者(ストリーマー)が存在しており、それぞれに対してやゲームタイトルに対するファンコミュニティが形成されています。
▼ゲーム配信者・実況者を中心としたコミュニティ
画像引用元:経済産業省『令和3年度コンテンツ海外展開促進事業』
広告媒体としてeスポーツを活用することで、これらのファンコミュニティと継続的なコミュニケーションを取れるようになるため、ファン層が多いZ世代への認知拡大や誘引力の向上に効果的と考えられます。
出典:経済産業省『令和3年度コンテンツ海外展開促進事業』
eスポーツを活用した効果的な広告施策
eスポーツのゲームやイベント、プロの選手・チーム、施設などを活用して、多種多様な広告施策を講じることが可能です。
➀スポンサーシップ契約を結ぶ
eスポーツのチームや大会、施設などとスポンサーシップ契約を結ぶ方法です。
企業が資金・リソースを提供することにより、さまざまな場所・媒体において広告活動を行える権利を得られます。
eスポーツのスポンサーシップ先としては、主に以下の3つが挙げられます。
大会・イベント
国内外で開催されるeスポーツの大会やイベントのスポンサーになる方法です。
参加者・観戦者に対して自社の商品やブランドを宣伝したり、イベントと連動した広告施策を実施できます。
▼広告の施策例
- 大会・イベントの公式ホームページへの社名・ロゴ掲載
- 会場内の看板・ポスターへの社名・ロゴ掲載
- 大会名への社名・商品名の使用
- 商品・ブランドのデザインを反映したノベルティやグッズの提供
- 大会限定コラボレーション商品の開発
- インフォマーシャルの掲出
- オンライン配信内でのCM掲出やロゴ露出 など
施設
eスポーツの大会・イベントが開催されるスタジアムやアリーナといった施設のスポンサーとなる方法です。
施設の維持管理・運営にかかる資金や設備の提供などを行うことで、社名・商品名をさまざまな場所・媒体で宣伝することが可能です。
▼広告の施策例
- 施設名への社名・商品名の使用
- 施設の公式ホームページへの社名・商品名の掲載
- 施設の公式SNSや入場チケットへの露出 など
選手・チーム
eスポーツの大会で活躍する選手・チームのスポンサーになる方法です。特定の選手・チームを応援するファン層を狙って、細かなターゲティングを行いアプローチすることが可能です。
また、人気がある選手・チームを介して自社の商品・ブランドの魅力を発信できるため、ファンからの好感を得やすくなります。
▼広告の施策例
- チームユニフォームへの企業・商品ロゴの掲載
- チーム名に対する社名・商品名の冠表記
- 選手による商品・サービスの宣伝(タイアップ広告)
- テレビCMへの選手起用 など
②eスポーツ大会の主催
企業がeスポーツ大会を主催して、企業・商品・ブランドなどの認知拡大につなげる広告施策があります。eスポーツの選手・チームを招く大会では、ファンに自社のことを知ってもらい好感を醸成する効果が期待できます。
また、従業員の家族・友人を招いた社内イベントや、地域住民を招いての交流イベントなどでeスポーツの大会を実施することも可能です。
気軽に楽しめるeスポーツ大会を開催して幅広い人に参加してもらうことで、社名・商品名を覚えてもらい、興味関心を持つきっかけになる可能性があります。
③ゲーム空間内に広告を掲載する
eスポーツのゲーム空間内に広告を掲載することも可能です。これは“インゲーム広告”とも呼ばれます。
ゲームのプレイ中に目につく場所に広告を掲載することで、プレイヤーや観戦者の認知獲得につながります。また、ゲーム体験に広告を組み込むことにより、好奇心を醸成する効果も期待できます。
▼広告の掲載例
- ゲームのマップ上にある看板に社名・商品名を記載した広告を掲載する
- ゲームのアイテムに自社の商品やブランドのデザインを再現する など
まとめ
この記事では、eスポーツを活用した広告について以下の内容を解説しました。
- eスポーツを広告媒体として活用する狙い
- eスポーツを活用した広告の特徴
- eスポーツを用いた効果的な広告施策
eスポーツは、ゲームに対するエンゲージメントが高いZ世代に有効な広告媒体としても注目され始めています。
スポンサーシップの活用やイベントの主催、ゲーム内への広告掲載などの多様な施策を通じて、Z世代の購買行動を変容させる一貫したアプローチを行えるようになります。
『コミュファ eSports Stadium NAGOYA』では、eスポーツの企画から運営までのトータルサポートをはじめ、広告施策として有効なイベントや大会を運営しております。企業のマーケティング活動や採用戦略などにおいて、eスポーツのファン層やゲームに興味関心のある若年層にアプローチしたい方におすすめです。